歯周病治療

歯周病の治療や予防はすべての歯科治療のベースになります

歯周病治療

歯周病とは、歯と歯肉の間にある歯周ポケットで菌が繁殖することにより歯肉に炎症を起こし、徐々に歯を支える骨や組織を溶かしていく病気です。歯周病初期は症状に気づきにくく、歯ぐきの腫れ、口臭、歯のぐらつきなどの自覚症状を感じる頃にはかなり進行しており、そのまま放置すると歯を失う可能性があります。日本では成人の5人に4人が歯周病にかかっていると報告されています。

当院では審美治療を始め、インプラントや入れ歯治療、矯正治療においても、まず歯周病検査を行い、歯周外科治療も含めた適切な治療を行います。その後は正しいお手入れ法のアドバイスと定期的なメインテナンスでお口の中をコントロールします。歯周病治療を行い歯ぐきや口腔内を健康にすることで、審美治療やインプラントも美しさや機能性を実現し、維持することができます。

まず歯周病の原因やリスクを見極め、正しい処置を行います 

歯周病治療歯周病のそもそもの原因は歯周病細菌です。歯の表面にはプラーク(歯垢)というネバネバした細菌の塊が付着しており、このプラークが歯にこびりついてヌルヌルした膜のようになった状態のものをバイオフィルムといいます。バイオフィルムには無数の歯周病細菌が存在し、この歯周病細菌の出す毒素が歯周病の発生や進行に大きく影響します。また、これらを放置するとやがて石灰化して歯石になります。歯石は細菌の温床となり、更に毒素を出し続けて歯周病を進行させます。

精度の高い治療と予防でプラークコントロールを徹底
実際の診療では、まずLeica社製医科用マイクロスコープで詳しく歯周ポケットの中を観察し、レントゲンで歯槽骨の状態を確認します。さらに歯の動揺を慎重にチェック、咬み合わせなど口腔全体のバランス、歯ぐきの検査等も行い、必要に応じて歯周病菌の細菌検査を行います。治療の際もLeica社製医科用マイクロスコープを使って歯石を徹底的に除去し、必要に応じて外科的な処理を施すこともあります。

歯周病は感染症であり生活習慣病であるため、悪くなった部分だけを治せばよいというものではありません。当院では原因やリスクを見極め生活習慣までを考えた、お口の中全体の健康を視野に入れた総合的な治療と、患者さん一人ひとりのプラークコントロールを徹底し、生活習慣なども考慮したきめ細かい歯磨き指導を行い、再発を予防します。

全身の健康にもかかわる歯周病

全身の健康にもかかわる歯周病歯周病と糖尿病には深い因果関係があることが明らかになっています。糖尿病にかかると細菌感染しやすくなるため歯周病も進行しやすくなり、逆に歯周病治療によって血糖値が改善することもわかっています。糖尿病と診断された方は、歯周病にも気を付けることが必要なのです。

また歯ぎしりや食いしばりは歯周組織に過度の負担を与え、歯周病の進行を促進させることがあります。ご両親や兄弟姉妹が早く歯を失っている場合は、歯周病にかかりやすい体質と考えられますし、10代、20代でたびたび歯ぐきが腫れる場合は、特殊な歯周病細菌に感染している可能性もあるので注意が必要です。歯周病はお口の中だけでなく全身の状態を含めた広い視野で診ることが必要です。

タバコも歯周病のリスクになります
タバコを吸っていると血行が悪くなり、栄養が充分に行き渡らないため、細胞の免疫力が低下して歯周病にかかりやすく進行も早まります。喫煙期間が長くなると歯ぐきの色が自然なピンク色から黒っぽく変わり、炎症に気づくのが遅れがちになります。スモーカーの方は、むし歯がなくても定期検診やメインテナンスを受けることが大切です。もちろん、歯やお口の健康のためにも禁煙をお勧めします。

歯周病の進行と治療の流れ

軽度歯周病歯周病の進行と治療の流れ
【症状】
歯と歯肉の間の歯周ポケットと呼ばれる部分にプラーク(歯垢)がたまり、そこに細菌が繁殖して初期の歯周病となります。歯肉が軽く腫れたり、出血することもあります。
【治療法】
まだ初期の段階ですので、歯科衛生士によるブラッシング指導と数回のクリーニングで改善できます。

中等度歯周病歯周病の進行と治療の流れ
【症状】
口臭や出血もあり、歯石もかなり目立つ状態。歯周菌によって骨が後退を始め、歯周ポケットも深く、歯がぐらついた状態になります。
【治療法】
歯の表面や歯周ポケットの歯石を取り、歯肉の状態が改善された段階で再検査を行います。歯周ポケットの奥まで歯石が付いている場合は、外科手術が必要な場合もあります。

重度歯周病歯周病の進行と治療の流れ
【症状】
歯肉が化膿して真っ赤に腫れ、骨もかなり破壊され後退しています。歯のぐらつきも大きく、かなり危険な状態です。
【治療法】
症状によっては歯周外科で治療する必要があります。治療しても改善がみられない場合、抜歯となります。

当院の歯周病治療メニュー

スケーリングとメインテナンス
歯の表面に付着した歯垢や歯石を除去します。表面がざらざらしている歯石を取り除くことで、プラークが付着しにくい状態にして歯周病を改善していきます。歯石は一度除去してもしばらくすると再形成されますので、歯石の付き方により通院間隔をご案内します。

歯周ポケット搔爬(そうは)術
歯肉に麻酔をして、歯周ポケットの中の歯垢や歯石を除去する手術です。歯周ポケットの深さが3~5mm程度の比較的軽度の場合に行う治療法です。

歯肉切除
歯肉が腫れ上がっている場合に行う手術です。患部の歯肉を切除し、縫合して歯周病の進行を防ぎます。比較的簡単な手術ですので短時間で終わります。歯肉を切開して歯槽骨から剥離することで露出した歯根の歯垢や歯石の除去、歯槽骨の清掃、ダメージを開けた歯肉などの組織を除去し、歯肉をもとの健康な状態に戻します。これは重症の場合に適した治療法です。

再生療法
重度の歯周病になると切除療法やクリーニングでは回復が難しいケースが多いため、少なくなった骨を再生し歯周病の進行を食い止める再生療法を行います。主にメンブレンと呼ばれる人工膜を患部に取り付けて骨の再生を図るGTR法や、歯根面にタンパク質のゲルを塗布し骨の再生を促すエムドゲイン法などがあります。

根面被覆術
歯肉が下がり歯根面が露出した部分に、他の歯肉を移植し被覆する手術です。審美面の回復はもちろんですが、歯根面が露出していることで起こる知覚過敏を改善するために行われます。

歯槽堤増大術
歯を失った部分を放置していると骨が吸収され歯ぐきの形も変わってきます。その状態で新しい人工歯を入れると審美的な問題が出てくるため、人工的に骨を増やす手術を行い、審美的にも美しい見た目を獲得することができます。

綿密な診査・診断で歯ぐきのラインを美しくする歯周病治療

歯ぐきのラインを美しくする歯周病治療歯周病治療は、歯周病でダメージを受けた歯ぐきを回復する治療です。初期段階の歯周病でしたら、以前のような引き締まった歯ぐきを取り戻すことができますが、進行している場合、往々にして見た目が悪くなりがちです。

歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶けて歯ぐきが下がってしまいます。そのため、歯周病治療を終えると歯ぐきが長く見えてしまうのです。当院ではそれを回避させるために診査・診断を徹底。患者さまの口腔内全体や、歯ぐきの状態、顔貌を正確に診査・診断し、歯ぐきのラインを美しく見せる効果的な歯周病治療を提案いたします。

歯周病治療と歯肉移植・かぶせ物治療などを併用して歯ぐきのラインを美しく整えます。部分矯正やインプラントを平行することで、咬み合わせをよくして長持ちする歯を作ります。精密な診断・診断と高度な治療で、お口の健康と歯ぐきのラインの美しさを取り戻しましょう。

痛みが少ないスケーリング

痛みが少ないスケーリング歯周病治療を終えると、歯肉の状態が改善されて、お口全体が健康になります。その状態を維持するためには、その後のお手入れが大切です。当院では、定期的なメインテナンスを提案しています。

メインテナンスでは、スケーラーと呼ばれる専用器具を使って、歯の表面や歯周ポケット内にたまっているプラークや歯石を取り除きます。使用するスケーラーには手持ちの金属製の物と、超音波装置の二種類があります。一般的には金属スケーラーが使われますが、処置中に痛みがありメインテナンスを嫌がる方も少なくありません。

当院では超音波装置を導入し、痛みの少ないクリーニングを行っています。超音波装置は、超音波の振動で汚れを除去する装置です。超音波の力で歯石だけを粉砕するので、痛みが非常に少なく、歯石を確実に取り除くことができます。ストレスがほとんどないので、ゆったりした気持ちで施術を受けていただけます。