ダイレクトボンディングの治療後
今日はいつもと違い臨床の話を書きたいと思います😊
1990年代の中盤から、私が大学を卒業した2004年以降も材料や接着のテクニックは大変変化してきており、
それにより、修復治療や治療計画も変化してきています。
ダイレクトボンディング(コンポジットレジン修復)を治療の選択肢とする理由は、
審美的要素だけでなく、健全な歯を最大限に保存することと、歯の構造の強化にあります。
現在は、各種メーカーから様々なコンポジットレジンが開発されていますが、
適切に充填、治療を行えばこれらは物理学的に非常に優れた材料です。
コンポジットレジンは象牙質に近似した弾性係数があり、エナメル質や修復物に対して
十分な磨耗抵抗性があります。
私は、歯科医師や歯科関係者相手に講演や執筆活動を行なったりしていますが、
そのような場でよく『所詮レジンはすぐ磨耗するからダメだ。』というような批判的な
ことを耳にすると、非常に残念に思います。
コンポジットレジンを批判する多くの先生方は、かつてコンポジットレジン修復が世に出た時に、術後の脱落や疼痛、色調安定性での失敗で痛い思いをした先生方や、
保険治療をメインに行なっている先生方に多いように感じます。(私見ですが)
現在のコンポジットレジンは全てのタイプの齲蝕に用いることができ、
かつ予後の良いものと言えます。
しかし、完全には解決できない問題がいくつかあって、的確な使用を行なっていない
症例も多数存在することも事実です。
ダイレクトボンディング治療は100%歯科医師の技術に依存する治療法です。
しかし、それを使用する歯科医師が重合収縮と象牙質との接着の問題を、理解していないと
トラブルとなります。
当院では、ダイレクトボンディング(直接法)とインダイレクトボンディング(間接法)
の診断、適応症を科学的な根拠に則り行なっているので、修復物の予後が非常に良いです。
ダイレクトボンディングは日本では保険治療の適応ですが、現在自由診療で行われているクリニックもあるようです。
料金がホームページに載ってるクリニックもあるようですが、
本来は治療前に値段を設定する事は出来ない症例の方が多いはずです。
何故ならば、齲蝕や修復物の除去後の状況によって、その適応症が大きく変わるからです。
ですから事前に費用が設定されているクリニックは...😂
残念ながら的確な診断が下されていないと思います。
修復治療はその治療の境界線が非常に重要です。
次回は、そのあたりの境界について書きたいと思います。
ブログは不定期にアップしますので、時々チェックしてくださいね😎